今日もいつものように、ベッドの上で携帯とにらめっこ。
懐かしの校歌が流れるのを、ただ待つのみ。
『早く、』
焦る心が俺の中に存在する。
心配ないよ、なんていわれても信じられるかっての。
お前はいつだって、過酷の中に生きている。
だからこそ、強いのかもしれない、戦いに。
だからこそ、弱いのかもしれない、愛情に。
枕に顔を埋めて、今か今かと待ち望む。
♪緑たなーびく、並盛の〜
携帯を開いて通話ボタンを押す。
わずか、一秒足らず。
「雲雀ッ?!」
『・・・任務、終わったよ。山本武』
今から、そっちに戻るよ。
何千キロと先から届く正真正銘の声。
「早く帰ってきてくれよな!」
『・・・分かったよ』
溜息交じりの返事も、いつもの彼の証拠。
あぁ明日が楽しみだ。
早く帰って来い、雲雀恭弥!
「全く、僕にはまだ本業があるってのに・・・」
携帯を切ったと同時に、隣からの声。
「恭さん、そういいながらも帰る気でしょう」
「まぁ、言われた以上は、ね」
楽しみにしてなよ、山本武。
08/03/18(Tue.)
10/06/13 修正